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高知・須崎市、1年でふるさと納税300倍 成功の裏にゆるキャラと“名演出家”

守時健さん(左)としんじょう君=高知県須崎市で2018年12月4日午後2時23分、松原由佳撮影

 年間200万円だったふるさと納税による寄付金が、たった1年で6億円近くになる――。そんなサクセスストーリーを歩んだ高知県須崎市。1年で寄付金を約300倍に増やした成功の立役者が、市のご当地キャラクター「しんじょう君」と仕掛け人の市元気創造課の守時健さん(32)だ。

 しんじょう君は、須崎市の新荘川で最後に確認されたニホンカワウソをモチーフにしたキャラクター。2002年に作られたが、あまり積極的な広報はしてこなかった。そんなしんじょう君に、守時さんが目を付けた。キャラクターを活用し、情報発信ができないかと、リニューアルを提案。13(平成25)年、現在の姿に生まれ変わった。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを活用して話題を呼び、16年にはゆるキャラグランプリで頂点に輝いた。

 しんじょう君の人気の裏には、守時さんの細かな分析がある。守時さんはさまざまなゆるキャラを調べ、「キャラの視線が相手と合わないこと」「特産品をあまり持ちすぎないこと」が成功の鍵だと分析。公募から、市名物の「鍋焼きラーメン」の帽子をかぶり、斜め上を見つめるしんじょう君が選ばれた。

 人気の理由はそれだけではない。しんじょう君が大切にしているのは、ファンを作ること。ブログなどで美容院でパーマをかけたり、ダイエットに挑戦したりする姿を発信してきたほか、ツイッターでのファンからの投稿や年賀状に返事を書くなど、交流を重ねてきた。現在、しんじょう君のツイッターフォロワー数は約10万人。それ以外でも、動画投稿サイト「You Tube」や写真共有アプリ「インスタグラム」などさまざまなSNSを活用し、ファンを楽しませている。

 奇抜なアイデアや地道な交流で培った絶大な情報発信力を活用し、15年度からしんじょう君はふるさと納税の発信を始めた。すると、寄付金が一気に増え、17年度には11億円を突破。昨年には、ふるさと納税を活用した事例を表彰する「ふるさとチョイスアワード」で大賞を受賞した。楠瀬耕作市長も「皆さんが一緒になってかわいがってくれる存在。財産になった」と話す。

 しんじょう君は現在、アメリカや台湾など海外でもPRしている。今秋にはアニメ化も予定されるなど、さらなる飛躍が期待できそうだ。平成についてしんじょう君に尋ねると、「5年くらいしか生きていないけど、なかなか楽しい感じだったよー☆」とコメント。「新しい時代も無限に何となく生きていくよー☆」とゆるく意気込んだ。【松原由佳】

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