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22年目の記憶 「南北」に映す父子の情

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 新しい年が始まった。昨年の映画界は反セクハラ運動「#MeToo」の影響で女性に脚光が当たり、公開作でも女性の役割や生き方を問い直す作品が目立った。2019年はどんな映画が注目されるのか。それを占う意味で、「父」を描いた韓国映画を紹介したい。

 1972年。妻を亡くした売れない役者ソングン(ソル・ギョング)は、息子のテシクを喜ばせたい一心で、あるオーディションを受ける。それは大統領が北朝鮮との南北首脳会談に備えてリハーサルをするための相手役、つまり最高指導者・金日成の代役を選ぶオーディションだった。ソングンは合格するが、拷問に近い訓練で人格が破綻。自分が金日成だと思い込む。

 22年後。父と絶縁したテシク(パク・へイル)は詐欺師まがいの仕事で借金取りに追われていた。自宅を売って返済することを思いついたテシクは、実印を探すため老人ホームから父を引き取り、再び一緒に暮らし始めるが……。

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