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動くか日露

日露両政府は、首脳会談を受け、領土交渉の本格化に踏み出した。日露の思惑や交渉の焦点を探る。

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識者の見方/1 「2島返還+α」決断を 京産大世界問題研究所長・東郷和彦氏

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=宮本明登撮影
=宮本明登撮影

 安倍晋三首相は「日ソ共同宣言(1956年)を基礎に平和条約締結交渉を加速させる」と表明した。宣言は「平和条約締結後、歯舞群島と色丹島を日本に引き渡す」とする。このため、首相の方針を「2島先行返還」と見る向きがある。

 だが、首相は「先行」を意図していない。「先行」とは、2島返還後、国後・択捉両島の帰属問題を協議するものだ。しかし、首相は「交渉を仕上げる」と述べており、領土問題を決着させる意思を示したとみるべきだ。

 北方領土問題は、交渉で解決するしかない。ロシアが実効支配する島を巡り、交渉の入り口をこじ開けるのは難しい。相手がやる気になったときに一気に交渉を進め、最大限のものを取るしかない。交渉の鉄則は、双方の国の力関係だ。日本の力が大きく、相手の力が弱い時に機会の窓が開く。91年12月に旧ソ連が崩壊し、ロシアに対して、相対的に日本の国力は最大化した。その後の交渉過程でさまざまな機会があったが、平和条約締結…

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