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社説

「亥年選挙」と有権者 地域に関わる力鍛えよう

 今年は春に統一地方選、夏に参院選が行われる。両方の選挙は12年に1度重なるため、えとから「亥年(いどし)選挙」と呼ばれる。

     統一選では首長、地方議員選合わせて973選挙が予定され、地方選挙全体の3割近くを占める。全体に占める比率は低下傾向とはいえ、多くの自治体にとって、住民が地域の将来を考える大切な契機となる。

     とりわけ、多くの市町村が人口減少に直面し、将来の地域社会の維持が危ぶまれる中での選挙だ。人口3万人以下の市町村で、7割超の自治体が2040年までに人口が3割以上減ると総務省は試算している。

     小学校教育や水道事業など、市町村が当然のように担ってきた役割を果たすことが難しくなる。人口減少は避けられない現実として、持続できる地域のビジョンを議論する場としなければならない。

     人口減少は、地方議員の成り手不足ももたらしている。前回15年の統一選で、町村議の約2割は候補者が定数を上回らず、無投票で当選した。高知県大川村が地方議会にかわる村民総会の開催をいったん検討したほど、状況は深刻だ。

     長野県喬木(たかぎ)村は村議の成り手を増やそうと、会議を出席しやすい夜間開催にする試みを始めた。小規模な町村の議会の機能や運営について、改めて検討すべき段階だろう。

     統一選のもうひとつの焦点は、女性の地方議会への進出が加速するかだ。選挙の候補者数をできる限り男女均等にするよう政党に求めた「政治分野の男女共同参画推進法」が昨年、成立した。生活に密着した課題が多い地方議会こそ、女性進出のモデルとなってしかるべきだろう。

     前回統一選で当選した女性議員の比率は道府県議選で約9%と1割に満たなかった。推進法の制定後に実施された茨城県議選では政党の公認候補58人のうち女性は7人だけだった。これでは本気で政治を変えようとしているかが疑われる。

     国政選挙と同様、地方選挙も投票率の低下傾向が目立つ。前回は各種選挙で軒並み最低を更新した。

     今回は、選挙権が18歳に引き下げられてから初の統一選でもある。若者の投票離れは自治への関心低下につながる。教育現場を中心に積極的な啓発に取り組んでもらいたい。

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