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中国の少子化深刻 一人っ子政策撤廃も、出生数2年連続減少予測

新年の国旗掲揚式典で国旗を手にする子供(中央)。中国では出生数減少が深刻化している=北京の天安門広場で1日、ロイター

 【北京・河津啓介】中国の少子化が深刻だ。政府は2016年に一人っ子政策を全面撤廃し、2人まで出産を認めたが、中国メディアによると、複数の専門家が18年の出生数は前年を大きく下回り、2年連続の減少となると予測。政府系研究機関は、今後10年は人口増が続くと分析するが、統計の「水増し」疑惑を指摘して「18年に人口は減少に転じた」と主張する専門家もいる。

中国の出生数推移

 中国の推計人口は17年末に13億9008万人で世界最大。1979年から一人っ子政策で人口を抑制してきたが、近年は少子高齢化が問題となり、生産年齢人口は12年から減少に転じた。そこで政府は16年から2人までの出産を全面的に認めるようになった。

 中国国家統計局は例年1月に前年の出生数を公表する。2日付の中国紙「環球時報」(英語版)によると、複数の人口学者が18年は、17年の出生数1723万人と比べ「200万人以上減る」と予測したという。

 政府の所管部門は当初、2人まで出産を認めれば、出生数は2000万人前後に押し上げられるとみていた。16年は1786万人で前年に比べて131万人増え、担当者は「予測通り」と評価した。しかし17年は前年を63万人下回り、予測と相反する結果になった。

 将来の人口変動について、政府系シンクタンク・中国社会科学院は3日に発表した報告書で、29年の14億4200万人をピークに、30年から減少に転じると予測した。出生率の状況によっては3年前倒しの27年から減少する可能性もあるという。

 ところが、米ウィスコンシン大の人口学者、易富賢氏は1日、「18年は中国が人口減少を始めた歴史的転換点」と主張する論文を、北京大国民経済研究センターの蘇剣主任と連名で発表した。

 論文では、当局が毎年発表する出生数は90年代から正確性に問題があり、10年に1度の中国版国勢調査などの大規模調査と比較すると「水増し」は明らかだと指摘した。例えば、当局は00年の出生数は1771万人と発表したが、同じ年の国勢調査では0歳人口が1379万人だった。合計特殊出生率についても、15年は1.6程度と発表されたが、毎年政府が発行する「中国統計年鑑」は1.05で大きな開きがあり、話題になった。その後の年鑑では出生率は公表されなくなった。

 出生数の不一致について、政府側は「実態に合わせるために修正を加えた結果」と説明する。かつての中国では、一人っ子政策による処分を恐れて現場の地方政府担当者や家庭は出生数を過小報告しがちで、政府の人口政策担当部門はそれを念頭にデータを高く修正する傾向が続いてきたという。ただ易氏は、近年はむしろ児童関連の補助金や手当を得るために「過大申告の動機が強まっている」と分析。易氏らは独自試算の結果、18年時点で出生数が死亡数を下回る人口減少時代に入ったと結論付け、産児制限の完全撤廃と科学的な少子化対策を提言した。

 今後、共産党の重要会議や3月の全国人民代表大会(国会)で産児制限の緩和や撤廃に向けた議論が活発化しそうだ。

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