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遊びながら心肺蘇生法を学べるカードゲームを創価大(八王子市)の学生が考案し、子どもたちに好評だ。考案したのは同大経営学部の安田賢憲准教授(経営戦略論)のゼミ学生7人による「Team CUE」。楽しみながら生命を守る人づくりにつながるとして、市立小学校での活用も検討されている。【野倉恵】
ゲーム作りのきっかけは、プロジェクト副リーダーの3年、鳥海健一さん(21)が仲間に自身の体験を語ったことだった。
鳥海さんが高校2年の時、持病のある妹が発作を起こして風呂場で倒れ、意識を失った。救急搬送され一命を取り留めたが「家族の生命の危機を前に、何もできない自分が悔しかった」という。
昨年4月、仲間に思いを打ち明けた。「子どもの時から救命措置について知っていれば、身近な人の命を守れる行動がとれる」「やらされる感じでなく、楽しく身につく方法はないだろうか」。仲間で議論を重ね、カードゲーム作りが始まった。
カードは、心肺蘇生法の手順をイラストと言葉で描いた。「(心肺停止状態で倒れた人の)肩をたたきながら呼びかける」「119番とAED(自動体外式除細動器)を周りの人に頼む」「(心臓マッサージで)1分間に100~120回、胸の真ん中を強く押す」などのカードを、より早く並べられるかを競う。「AEDが見つからない」といった不測の事態を示す攻撃カードもあり、対戦相手に出された時に適切な対処法を伝えられないと、自前のカードが減ってしまう。
ゲーム作りでは、東京医科大八王子医療センターの救急救命士らにインタビュー。現場で実際に起こるトラブルを聞き、ゲームに採り入れた。監修も協力してもらった。
8月以降、市内の子どもサッカークラブや学童保育所に出向き、カードゲームの講座を開いた。小学生合計63人の心肺蘇生法の理解度は、実施前は約2割だったが、実施後は約8割に向上。「またやりたい」「人を助ける仕事をしたい」。そんな感想も寄せられた。プロジェクトは11月、大学生が石森孝志・八王子市長にアイデアを発表するイベントで最優秀賞に輝いた。
カードは2月に完成予定。すでに学童保育所や企業関係者など市内外30組から購入予約がある。
プロジェクトリーダーの3年、斎藤桃乃さん(20)は「生命を救う現場の貴重な話を聞き、子どもたちにどう伝えるか模索しながら、私たちも学んだ。いざという時に大切な人を守れる社会につなげたい」と話している。
〔都内版〕
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