メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

養老孟司・評 『「あの世」と「この世」のあいだ--たましいのふるさとを探して』=谷川ゆに・著

 (新潮新書・821円)

切実な思いが生んだ書物

 あの世もこの世も、老人には懐かしい言葉である。実質的な内容を欠くという意味で、じつはほとんど死語ではないか。

 生死はもっぱら個人のものとなり、直葬、家族葬は半数を超えた。あの世、つまり死後の世界はもはやないというしかない。この世つまり世間もしだいに具体的な形を消して行き、グローバル化したネット空間だけが生き残る。

 著者は日本の田舎を訪ね歩く。「人と人、人と自然との豊かなつながりをいまだ保っており、死者や神々への信仰はその間に満ち満ちている」、そういう世界がそこには残っているのではないか。だからたとえば宮古島であり、与論島であり、八丈島である。でも思い直してみると、本土にも島というしかない場所も多い。能登や伊豆は半分は島である。そうした場所を訪ね、「客観的な分析ではなく、共鳴による理解がしたい」と著者は思う…

この記事は有料記事です。

残り1022文字(全文1403文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 会見後に予定入れたのは「打ち切り」のため? 原稿棒読みの場面も多く 菅首相

  2. 宅八郎さん死去 57歳 「おたく評論家」の肩書でテレビ番組出演

  3. 菅首相、初論戦は「逃げ」全集中 9月の約束「丁寧な説明」はどこへ

  4. 「へずまりゅうの弟子」名乗るユーチューバー逮捕 山口の墓地で卒塔婆振り回した疑い

  5. ORICON NEWS 『鬼滅の刃』2日連続で全国5紙ジャック、朝刊に広告「想いは不滅」 主要15キャラの名言&作者メッセージ掲載

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです