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波のまにまに

悲しい唄はいらない=戸田栄

 さざ波に似た調べを三味線は奏でることができる。ゆるりと寄せては引く波に身をゆだねると、体の無駄な力が抜け、うつらうつらとしてしまう。そこへ、不思議な歌詞が始まる。

 ♪舟をひきあげ 漁師は帰る

  後に残るのは 櫓(ろ)と櫂(かい)

  浪(なみ)の音 ヨイショコショー

  浜の松風

 漁を終え、浜に戻ってきた漁師が後片付けをしている様子を描いている。民謡「淡海節」の1番の歌詞だ。異なる説もあるが、滋賀の民謡とされることが多く、私も琵琶湖の情景を思い浮かべながら弾き語りの練習をしている。

 それにしても、なぜこんな様子を歌にしたのだろうか。わざわざ歌うのだから、主題は特別なことがふさわし…

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