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虹架かる

豪雨からの復興/4 笠岡 自動車部品メーカー「ヒルタ工業」 従業員の安全へ対策強化 /岡山

土砂崩れが起こった裏山のふもとに大量に置かれた土のう=岡山県笠岡市茂平で、益川量平撮影

 笠岡市の自動車部品メーカー「ヒルタ工業」は昨年7月の西日本豪雨で工場が土砂崩れに見舞われ、従業員2人を失った。

     同市茂平の本社工場を土砂が襲ったのは7日午前4時半ごろ。当時工場では、夜勤に入っていた30人以上の従業員がいつものように部品を製造していた。工場内は機械の音が鳴り響き、裏山が崩れた音も届かない。数十メートルの高さから崩落した土砂は工場の壁を突き破ってなだれ込み、壁の近くで作業をしていた6人は一瞬でのみ込まれた。約20トンのプレス機や溶接機もなぎ倒され、蛍光灯も割れて辺りは暗闇に包まれた。

    ヒルタ工業本社工場(岡山県笠岡市茂平)

     無事だった従業員らは真っ先に救急車を呼び、土砂に埋もれた6人に「頑張れ、頑張れ」と必死で呼び掛けた。駆け付けた消防隊員らが半日かけて救助したものの、妹尾基生(もとお)さん(当時57歳)と柚木徹さん(同43歳)の2人が遺体で見つかり、4人が重軽傷を負った。

     妹尾さんとは5年間班が同じで、部品を削る作業を共にした従業員の北殿泰之さん(37)は「彼の笑顔が忘れられない……」と声を詰まらせる。あの日の朝、上司から連絡を受けて会社に向かった。行方不明と聞いたが、信じたくなかった。妹尾さんは真面目な性格。いつもにこにことし、辛抱強く仕事に取り組んでいた。体が不自由な母親がおり、食事を作ってあげる優しい一面もあったという。北殿さんは「従業員一人一人も突発的な災害への対策を考えていかなければならない」と真っすぐな目で語った。

    土砂災害を振り返るヒルタ工業の昼田真三会長=岡山県笠岡市茂平で、益川量平撮影

     昼田真三会長(66)は「まさかこんなことが起こるとは」と振り返る。工場は1982年から現在の場所にあるが、これまで土砂災害に遭ったことはなかった。あの土砂崩れ以降、防災対策の見直しを進め、土砂をせき止めるために大量の土のうを裏山のふもとに置いた。今後、山の斜面で土砂が動くとセンサーが鳴る仕組みも導入する方針だ。

     昼田会長は「同じような災害が再び来ることを前提に、対策を考え続ける。従業員が安心して作業ができるようにしなければならない」と強い口調で話した。【益川量平】=次回は岡山市東区にあるお好み焼き店の復活を描きます。

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