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外国ゆかりの子らにカメラで居場所を 横浜で12日から作品展

ワークショップに参加した子供たち=大藪さん提供

 外国籍だったり親が外国人だったりする「外国につながる子供」たちに、写真撮影の楽しさを伝えるワークショップが横浜市内で続けられている。企画しているのは同市在住のフォトジャーナリスト、大藪順子さん(47)。「レンズを通して自分の世界と向き合いながら、自己表現の枠を広げてほしい」という思いがこもる。参加した子供たちの作品展を12~20日、横浜港(横浜市中区)のレストハウス「象の鼻テラス」で開く。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】

    子供たちの存在、知ってほしい

    ワークショップについて語る大藪順子さん=横浜市内で2018/01/10 10:12:08、宇多川はるか撮影

     性暴力被害者の撮影などを続けてきた大藪さんは、このワークショップを2016年から始め、毎年1月に各年の集大成となる作品展を開いてきた。コップの底にカメラを付けて撮ったり、地面に寝転がって撮ったり……子供たちの感性や発想が生かされた作品は、毎年多くの来場者をひきつけてきた。3年目を迎えた今回は、中国▽台湾▽米国▽フィリピン▽ガーナ――にゆかりのある中高生13人が、同市中区周辺などで撮影した作品を展示する。

     「外国につながる子供たちは身の回りに普通に暮らしていて、この社会の一員であること、そして、多様性を認める社会は誰にとっても住みやすい社会であることを、作品を通して知ってほしい」。大藪さんはそう話す。

    昨年1月に開かれたワークショップ参加者の写真展=横浜市中区の「象の鼻テラス」で2018/01/13 16:22:03、宇多川はるか撮影

    きっかけは川崎の中1男子殺害事件

     大藪さんがこの企画を始めたきっかけは、15年に川崎市の河川敷で中学1年の男子生徒が少年グループに殺害された事件だった。加害者に外国人の親を持つ少年がいたことを受け、周囲から少年グループは「ハーフ軍団」などと呼ばれていたと伝えられたことが気になった。「加害者はハーフやダブルなどと周りから言われ、自分自身のアイデンティティーを見いだすことが難しくなっていたのではないか」と思ったという。

     自身も米国で暮らして言葉の壁で苦労した際、「カメラを通して『自分の声』を見いだすことができた」という経験がある大藪さん。外国につながる子供たちの「居場所」としてワークショップを開き、さらに「写真をコミュニケーションのツールとして使って、言語以外に表現の枠を広げられることを知ってほしい」と考えた。

    昨年の写真展のオープニングセレモニーでは、撮影した子供たちが自身の作品について語った。左は大藪さん=横浜市中区の「象の鼻テラス」で2018/01/13 17:01:23、宇多川はるか撮影

    市民団体の旗揚げも

    昨年の写真展のオープニングセレモニーで作品について語る参加者=横浜市中区の「象の鼻テラス」で2018/01/13 16:49:57、宇多川はるか撮影

     ワークショップの活動を本格化しようと、昨年には市民団体「Picture This Japan」を創立。団体名には「日本のそのままを撮る」という直訳の意味もあるが、「より良い日本を思い描いて撮る」という思いも込めた。

     大藪さんは「写真をツールとして、社会的弱者と言われる人たちや、地域の課題を可視化したい。変わりゆく社会をそんな人たちからの目線で記録していきたい」と話す。プロ、アマ問わず「写真で社会貢献したい」というメンバーを増やしつつ、写真展や講演会、フォーラムなども開いていきたい考えだ。

     写真展は午前10時から午後6時(20日のみ午後4時)。入場無料。「Picture This Japan」への問い合わせはメール(picturethisjp@gmail.com)へ。

    昨年の写真展のオープニングセレモニーで自身の作品について語る参加者(右)=横浜市中区の「象の鼻テラス」で2018/01/13 17:07:00、宇多川はるか撮影
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