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動くか日露

日露両政府は、首脳会談を受け、領土交渉の本格化に踏み出した。日露の思惑や交渉の焦点を探る。

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識者の見方/2 2島のみ、成果台無し 北海道大名誉教授・木村汎氏

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木村汎・北海道大名誉教授
木村汎・北海道大名誉教授

 昨年11月の日露首脳会談は、戦後続けてきた北方領土交渉の大きな転換点になりかねないものだ。

 両首脳は「平和条約締結後、歯舞群島と色丹島を日本に引き渡す」とした日ソ共同宣言(1956年)を基礎に交渉することで合意した。しかし、これは「北方四島」の帰属問題を解決して条約を結ぶとした東京宣言(93年)やイルクーツク声明(2001年)を無視している。日本の歴代政権が絶壁に爪を立てる思いで、少しずつ獲得した「成果」を台無しにしたと言える。

 安倍晋三首相は、歯舞、色丹の2島返還に国後、択捉での共同経済活動を組み合わせた「2島プラスアルファ」での決着を思い描いているのだろう。この通りになれば、ロシアの主権となる国後、択捉に日本がヒト、モノ、カネを拠出して協力させられる構図になる。むしろ「2島マイナスアルファ」でしかない。

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