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かすかな記憶、薬で復活 認知機能障害治療に光

イメージ=iStock

 刺激物質ヒスタミンの分泌を脳内で促す薬を投与すると、「忘れたようなかすかな記憶」をスムーズに思い出せるようになることがマウスとヒトの実験で判明したと、北海道大などの研究チームが8日、米医学誌電子版に発表した。記憶力が悪い方が効果は大きかったといい、アルツハイマー病など認知機能障害の治療薬開発につながる可能性があるとしている。

 チームは、脳内の神経細胞で情報のやりとりにヒスタミンが使われ、記憶に関係している点に着目。マウス実験では、匂いや触感で触れた経験を判断する性質を利用し、実験箱で複数のおもちゃを入れ替えて観察した。

 3日経過すると、最初からあるおもちゃと入れ替え後のおもちゃを区別できなくなった。しかしヒスタミンの分泌を促進する薬を与えたところ両者を区別できるようになり、効果は1カ月後も続いた。

 人の実験では、ヒスタミンの分泌促進作用がある市販薬と偽薬(プラセボ)を活用。20~40代の男女38人に写真約100枚を見せ、1週間後に覚えているか確かめた。市販薬を投与した場合の正答率は46%で、偽薬投与を3%上回った。

 偽薬投与で最も成績が悪かったグループは、市販薬投与で正答率が約25%から約50%に向上。しかし最も成績の良かったグループの正答率は約60%から約40%に低下したという。

 チームは、ヒスタミン分泌で脳内の神経細胞全体が活性化され、記憶の断片をすくい取る感度が高まったと分析。ただし活性化による「ノイズ」で、鮮明な記憶を持つ人は逆に思い出しにくくなったのでは、と結論づけた。チームの野村洋・北大講師(神経科学)は「記憶のメカニズムの解明につながる成果だ」と話している。【斎藤有香】

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