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社説

金正恩委員長の訪中 制裁緩和狙いは通じない

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が北京を訪れた。金委員長の訪中は昨年6月以来、約7カ月ぶりだ。

     過去3回の訪中は、いずれも米朝間の重要な協議の前後に行われた。今回も、開催が取りざたされる2回目の米朝首脳会談を前に、中国の側面支援を得る狙いがあるのだろう。

     金委員長は今年の新年の辞で、朝鮮半島の緊張緩和に向けて米朝や南北関係を中心に引き続き外交努力を続ける意思を示した。交渉で解決に当たろうという姿勢は前向きに受け止められる。

     軍事的な挑発行為は、2017年11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を最後に1年以上実施していない。

     しかし、北朝鮮は一貫して、非核化交渉進展のためにはまず米国が北朝鮮への制裁解除をすべきだと訴えている。今回の訪中で、制裁緩和への支持を取り付けようというなら容認できない。

     しかも、米朝協議は昨年後半から足踏み状態にある。中国の後ろ盾を背景に、米国をけん制する意図があるのは明らかだ。

     北朝鮮の国営メディアは昨年末、米朝が合意したのは朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮の非核化ではないと主張した。一方的な核放棄はしないとの立場を鮮明にしたと言える。

     また、既に核実験場の廃棄や朝鮮戦争時の米兵遺骨の返還などを行っており、次にふさわしい措置を講ずべきなのは米国との立場である。

     しかし、非核化に向けた措置を取らなければならないのは緊張を高めてきた北朝鮮だ。金委員長は新年の辞で「必ず国際社会が歓迎する結果を得るために努力する」と述べた。ならば、核施設のリスト申告などに応じるべきではないか。

     昨年6月の初の米朝首脳会談は、長年敵対してきた両国トップが会談するという歴史的な意味があった。ただ、合意の内容は乏しかっただけに、次回の会談では実質的な進展が求められる。

     そのためにも、中国は北朝鮮が前向きに対応するよう後押しする責任があろう。中朝国境付近では事実上制裁が緩和されつつあるとの指摘もある。米中関係の緊張のあおりに乗じて、交渉が後退するようなことがあってはならない。

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