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石川県ふれあい昆虫館の学芸員、ゲンゴロウ新種発見「種の保全につなげたい」

石川県ふれあい昆虫館の特設コーナーで、新種の標本を手にする渡部晃平さん=石川白山市八幡町で

 石川県ふれあい昆虫館(白山市八幡町)の学芸員、渡部晃平さん(32)が、金沢市内で新種のゲンゴロウ「ニセコウベツブゲンゴロウ」(和名)を発見した。先月発行された日本甲虫学会の国際誌に論文が掲載され、同館特設コーナーでも生体展示が始まった。渡部さんは「多くの人に名前を知ってもらい、種の保全につなげたい」としている。

     ニセコウベツブゲンゴロウは体長3・3~3・8ミリほどで、水温が低く薄暗いため池などを好む。環境省レッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されている「コウベツブゲンゴロウ」とよく似ているが、比較すると0.2~0.3ミリほど小さく、背中の斑紋のコントラストがくっきりしており、オスの交尾器の形状も異なるという。

     渡部さんは2015年4月から同館に勤務するかたわら、ライフワークとして県内の水生昆虫の生息状況を調べている。今回の新種は16年3月、金沢市曲子原町のため池で採取。当初はコウベツブゲンゴロウだと思っていたという。17年12月末に自宅で標本の整理をしていたところ、体長や模様のわずかな差異に気づき「怪しい。新種かもしれない」と調べ始めた。全国の愛好家や研究施設に協力を仰ぎ、東北や四国、九州などで採取された411匹のコウベツブゲンゴロウを確認すると、このうち188匹が新種と判明した。

     渡部さんは16年には別の新種「チュウガタマルケシゲンゴロウ」を発見。学芸員による新種発見は珍しく、渡部さんは「日常業務は忙しいけれど、ちゃんと見ていれば気づくものなんだとうれしかった」と頬を緩める。

     全国各地の研究者が今回の新種の調査を始めており、渡部さんの元にも標本の鑑定依頼や問い合わせが相次ぐ。渡部さんは「コウベツブゲンゴロウと同等の希少性はあるはず。研究が進み、一刻も早く環境省や都道府県のレッドデータブックに載せてほしい」と話している。【日向梓】

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