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「同意あるデータ再提供なければ撤回も」早野・東大名誉教授 原発事故論文で

早野龍五氏=2016年2月8日、青野由利撮影

 東京電力福島第1原発事故後に測定された福島県伊達市の住民の個人被ばくデータが、本人の同意のないまま英科学誌に掲載された研究論文2本に使われていた問題で、論文を発表した早野龍五・東京大名誉教授が9日、毎日新聞の取材に応じ、「伊達市から同意のあるデータの再提供を受けられなかった場合、両論文の撤回もやむを得ない」と述べた。

     早野氏によると、雑誌社に寄せられた研究者の指摘をきっかけに、論文の1本に住民が生涯に受ける累積線量を3分の1に過小評価する「重大な誤り」があったことに気付いた。昨年12月に修正することになった直後、約5万9000人分のデータのうち2万7000人分の同意が得られていないことを知ったという。早野氏は「(誤りは)僕が悪く、共著者や伊達市の方々に申し訳ない。雑誌社には、不同意データが含まれていたことや、伊達市の判断を待っている現状を伝えたい」と話した。一方、もう1本に誤りはないと主張した。

     また、両論文について研究倫理指針の違反などの疑いを東大に申し立てた住民は、筆頭著者の福島県立医科大講師を対象に、県立医大に同様の申し立てをした。同大は「伊達市には7日、適切なデータを用いて再解析したい意向を伝えた」としている。【須田桃子】

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