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ラブサプリ「こっそり混ぜ…」に批判殺到 ピーチ・ジョン謝罪、販売中止

サプリメント「ラブ・ポーション」の広告=ピーチ・ジョンのウェブサイトより(現在は削除)

 下着販売ピーチ・ジョン(東京都)がネット上で、自社のサプリメントについて性的興奮を誘うとうたい、「(相手の飲食物に)こっそり混ぜるのがオススメ」などと宣伝していた。この広告に「犯罪を誘発する」などと批判が殺到しており、同社は9日に謝罪し、販売を取りやめると発表した。【中川聡子/統合デジタル取材センター】

料理や菓子に「こっそり色仕掛け」

「こっそり混ぜるのがオススメ」とツイートしていた=ピーチ・ジョン社の公式ツイッターより

 このサプリは商品名「LOVE POTION」(ラブ・ポーション)。原材料はココア粉末、マカ粉末、ムクナ粉末、デキストリンなど。昨年11月から「健康補助食品」として1瓶(粉末50グラム)3240円で売っていた。

 同社は、この商品を自社のウェブサイトで「情熱的な感情を呼び起こす。男女兼用ラブサプリ」と銘打ち、使用法の一つとして「こっそり飲ませる 表向き恥ずかしいと思うなら、お料理やお菓子にこっそり色仕掛け」などと相手の同意なく飲ませることを推奨するかのように記述し、料理のレシピや動画も載せていた。同社の公式ツイッターも「飲み物や料理にこっそり混ぜるのがオススメ」と宣伝していた。

 同社広報は毎日新聞の取材に、販売実績は公開できないとしている。同社は1994年設立で、ワコールホールディングスの完全子会社。

「レイプドラッグ」を想起

 この広告について1月8日夜、「政治アイドル」の町田彩夏さんがツイッターに、

 <「こっそり飲ませる」とあってびっくり。医薬品ではなくサプリメントだとしても、素直に怖いなと思った>

 <このサプリの怖いところは、効用を信じた人が使い方を真に受けてしまい、同意なく相手に飲ませ、しばらく経(た)ってから「そういう気持ちになっただろう」と言って、性的行為に及ぶ可能性があること。デートレイプドラッグ(性犯罪に悪用される睡眠導入剤などの薬)を彷彿(ほうふつ)としてしまいました>

などと投稿。投稿がリツイート(拡散)され、

 <パートナーでもやってはいけないこと>

 <アレルギーがあったら命の危険に関わる>

などと次々に批判の声が上がった。

 「レイプドラッグ」を巡っては近年、睡眠導入剤などの薬を飲食物に混ぜたり、アルコールを使ったりして相手の意識をもうろうとさせ、性的暴行に及ぶ犯罪が増えており、内閣府や警察庁が注意喚起や対策に乗り出している。

 これを受けて同社は9日、自社サイトに「お客様に大変ご不快な思いをさせた。深くお詫(わ)びする。多くのお客様のご意見を受け、該当表現を削除した」と謝罪文を掲載し、販売を取りやめた。

「夜への活力」「エクスタシーを支援」などの効能をうたっていた=同社のウェブサイトより

広告表現の根底に女性差別

 広告のあり方やサプリそれ自体に、専門家たちも疑問を呈している。

 性暴力の撲滅に向けて啓発活動を行うNPO法人「しあわせなみだ」の中野宏美理事長は「こっそりとサプリを仕込む、というのは人権侵害だ。犯罪を誘発するような広告と言わざるを得ない」と批判する。

 中野さんは広告の「表向き恥ずかしいと思うなら……こっそり色仕掛け」という表現に注目する。「この会社は女性用下着や美容グッズを主力商品とし、この売り文句も女性をターゲットにしたものだろう。女性の自信のなさにつけこむ意図が感じられ、そもそもの女性観が差別的だ」と指摘。「販売取りやめに終わらせず、なぜこんな広告を打つに至ったかを検証し、企業体質を見直してほしい。そして、女性が自己肯定感を持てるような商品や広告を打ち出してほしい」と話す。

サプリの効能は当てにならない?

 一方、食の安全に詳しい昭和女子大の梅垣敬三教授は「原材料の表示だけでは、広告するような効能があるかは判断できない。効果の有無は成分の純度や量による。国が定めた安全性や有効性の基準を満たした保健機能食品とは異なり、いわゆる『健康食品』や『健康補助食品』として流通しているものは、事業者が科学的な実験データも持たないまま勝手に効果をうたっているだけの商品も多い」と指摘。「原材料が天然物であっても、アレルギー反応や肝障害などが生じる事例は多数報告されている。口に入れる物は消費者が慎重に判断しなければいけない」と警告する。

 また、広告を巡る法律に詳しい成真海(せい・しんかい)弁護士は、広告中の「情熱的な感情を呼び起こす」「夜への活力」「エクスタシーを支援」という表現について、「医薬品でなければ広告できない効能・効果であり、医薬品としての承認を受けずに販売していたのであれば医薬品医療機器法(薬機法)違反に当たる可能性もある」と指摘する。

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