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プラスチック危機

安価で丈夫なプラスチックは多くの製品に用いられ、20世紀半ば以降の暮らしを大きく変えた。一方で、2050年までに海に流入するプラスチックごみの総重量が、世界の海に生息する魚の総重量を超えるとの予測もあり、分解されずたまり続ける大量の廃プラスチックの問題が世界で懸念されている。「便利さ」追求の陰で広がる「危機」を現場から考える。

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プラスチック危機

汚染、地球規模 絶海の島、ごみ世界一

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世界で最も隔絶された地にある英領ヘンダーソン島の砂浜は大小さまざまなプラスチックごみで覆われていた=2015年(ジェニファー・レイバースさん提供)
世界で最も隔絶された地にある英領ヘンダーソン島の砂浜は大小さまざまなプラスチックごみで覆われていた=2015年(ジェニファー・レイバースさん提供)

 人間の活動から最も遠い離島の環境をもむしばむ海洋のプラスチックごみ。汚染の拡大は深刻だが、その現状や影響で解明されていない部分も多い。専門家らは、気候変動対策と同様、国際的な連携による検証や対策が急務だと声を上げている。【ブリュッセル八田浩輔】

 南米チリの沿岸から西へ5000キロ。南太平洋に浮かぶ英領ヘンダーソン島は、世界で最も隔絶された無人島の一つだ。独自に進化を遂げた固有の動植物を含む生態系がほぼ手つかずで残り、1988年に世界遺産に指定された。上陸には許可が必要でアクセスの悪さもあり、現地調査は数年おきにしか行われない。

 2015年5月に初めてこの島を訪れた豪タスマニア大学の海洋生物学者、ジェニファー・レイバースさんは、プラスチックごみで覆い尽くされた白い砂浜に言葉を失った。ヤドカリはプラスチックのごみを背負い、ウミガメは漁業用ネットに絡まって息絶えていた。

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