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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第3部 企業はいま/6 「出口」重視、変わる研究 50社アンケートからみる事業

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 <科学の森>

財界、「基礎偏重」を批判

 「経営資源に限りがある中、研究開発についても、モノのサイエンスを扱う中央研究所的な領域から、別の新しい領域にシフトしていかねばならない」

 昨年11月にあった政府の総合科学技術・イノベーション会議の会合。議員の小林喜光・経済同友会代表幹事(72)が訴えると、他の議員からも「今までの延長線上でやっていても変わらない」(橋本和仁・物質・材料研究機構理事長)などと、同調する意見が相次いだ。小林さんは「ノーベル賞を極端にありがたがるのは、日本人の遅れた発想だ」とも述べ、従来の科学技術政策を「基礎研究偏重」と批判した。

 三菱ケミカルホールディングス(HD)会長も務める小林さんは、博士号を持つ研究者から経済団体トップに上り詰めた異色の経歴を持つ。研究と経営の双方を知る小林さんの主張は、企業の研究開発の「転換」を強くうかがわせた。

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