連載

平成という時代

平成最後の年を迎えた。平成は、グローバル化やインターネットの普及を背景に社会が大きく変化し、価値観の多様化が進んだ時代だった。さまざまな変化を追うとともに、その先にある次代をどう描いていくべきか考えたい。

連載一覧

平成という時代

第3部 変化/9止(その1) 電子版「紙」を超え

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
スマートフォンで読める電子書籍版の漫画(C)寺嶋裕二/講談社=和田大典撮影
スマートフォンで読める電子書籍版の漫画(C)寺嶋裕二/講談社=和田大典撮影

 昼下がりの東京・小田急線。電車内では乗客の多くが一心にスマートフォンをいじっている。平成も後半になって急速に定着した光景だ。

 東京都町田市のイラストレーター、古舘晃太さん(32)が液晶画面上で読みふけっていたのは、2000年代後半に雑誌連載された「ファンタジー系」と呼ばれる漫画だ。好きな漫画を「紙」でなくインターネット上で販売される「電子書籍」で楽しむことが増えたのは数年前から。「気に入った漫画家の過去の作品が書店になく、電子書籍で見つけた」のがきっかけだった。以来、都心へ打ち合わせで通う時などに欠かせない娯楽となった。「荷物にならず、本棚も圧迫しないのがいい」と話す。

 全国出版協会・出版科学研究所によると、17年の漫画単行本の国内販売額は3377億円。うち電子書籍版が1711億円を占め、初めて電子が紙を上回った。漫画雑誌はピークの1995年から販売額が3分の1以下に減る中で、まだ全体の96%を紙が占めるが、単行本は紙では手に入りにくい過去の作品などへの需要に電子書籍版が応えた。

この記事は有料記事です。

残り372文字(全文819文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集