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動くか日露

日露両政府は、首脳会談を受け、領土交渉の本格化に踏み出した。日露の思惑や交渉の焦点を探る。

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識者の見方/5 共同経済活動で解決 元ロシア外務次官 アレクサンドル・ロシュコフ氏

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 私はイルクーツク首脳会談(2001年)をはじめとして、長く平和条約問題に携わってきた。交渉の過程で希望を抱くことも少なくなかったが、その度に砕かれてきた。この時の会談で「2プラス2」(並行協議)が提案されながらも実現しなかったのは、機が熟していなかったことに尽きる。

 日本側は1956年宣言(日ソ共同宣言)に明記された歯舞群島と色丹島の引き渡し以外に、プラスの部分も取り上げてきた。もしこの方式で話し合うのならば、我々としてはプラスが何であるのかを解明する必要があったと思う。

 一般的に交渉に臨む国々が合意に達する時には、双方が相手に対する好意的な姿勢を取っているものだ。また(交渉を後押しする)世論も育て上げなければ、指導者も何らかの決断を下せない。ところが、当時はそういう雰囲気も世論もなかったにもかかわらず、あれこれと解決方法を当てはめようとした。結果として平和条約の必要性を理解しない世論に突き当たってしまった。

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