年金受給開始年齢の引き上げや、定年後の継続雇用制度の整備で働く高齢者が増えるにつれ、60歳以上の労災事故が増加している。特に転倒による事故が多い。行政や企業も対策に乗り出しており、専門家は「危険な場所を洗い出し、働く人に具体的に伝えるという一歩踏み込んだ対策が必要」と指摘する。【用貝成子】
「人は、つまずいてしまうようなものが何もない場所でも転倒する。だから対策が難しい。日ごろから歩き方に気を配ったり、階段で手すりを持ったりするなど繰り返し呼び掛けることが必要」と厚生労働省の労働基準局安全衛生部安全課の高松達朗係長は話す。
総務省統計局の労働力調査では、65歳以上の労働者が年々増加。継続雇用制度がスタートする前年の2013年は637万人、4年後の17年は807万人で170万人増えた。厚労省によると、17年の労働災害(4日以上、仕事を休んだ事故)の発生件数は12万460件。事故で死傷した人を年齢別でみると高齢になるほど多い。40歳代は2万6498件で50歳代は2万8631件。60歳以上は3万27件で約25%を占めた。…
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