ゴーン前会長を巡る事件の構図
カルロス・ゴーン前会長=徳野仁子撮影

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(64)が11日、新たに起訴された。昨年12月の起訴を含む3事件の舞台は公判に移るものの、日産の資金を流用したとされる疑惑は他にもくすぶり、同社関係者は「闇は深い」と証言する。東京地裁は刑事被告人となった前会長の保釈について近く判断する見通しで、勾留が続くかどうかが注目される。【服部陽、大久保昂、片平和宏】

 東京地裁は週明けにもゴーン前会長の保釈請求に対する判断を示す見通しだ。否認事件の勾留は長期化する傾向があり、3度にわたって逮捕された今回の事件で保釈を認める決定が出れば「異例」となる。

 裁判所は保釈の可否について、検察側の意見も踏まえ「逃亡や証拠隠滅の恐れの程度」を考慮して判断する。否認事件の場合は、こうした恐れが強いとして、近年では公判前整理手続きで裁判のめどが立つまで保釈が認められないことが多い。

 過去には、2002年に受託収賄罪などで起訴された鈴木宗男元衆院議員が437日間にわたって勾留されたケースがある。最高検は07年、勾留期間の短縮に配慮する方針を出したが、最近もリニア談合事件で逮捕されたゼネコン幹部は約9カ月間、文部科学省汚職事件の前局長は約5カ月半、勾留された。いずれも特捜部が手掛けた否認事件だった。

 今回の事件では長期勾留に対する批判の声が海外からあがり、昨年12月にはゴーン前会長らの勾留延長請求を東京地裁が却下した。今回の保釈判断についても、検察幹部は「通常は保釈が認められないケースではあるが、今回は裁判所の判断が読めない」と話している。【遠山和宏、蒔田備憲】