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新成人が生まれたのはこんな年 音楽やスポーツで新星 著名人の「けんか」でにぎわう

1998年8月、夏の甲子園決勝で最後の打者を三振に打ち取り、無安打無得点試合を達成してニッコリする横浜・松坂大輔投手(左)。春夏連覇は史上5校目だった=阪神甲子園球場で22日、北村隆夫撮影

 14日は成人の日。総務省の推計によると、98年生まれは約125万人で、晴れの日を迎える1998年4月2日~99年4月1日生まれの若者の数もこれに近いとみられる。新成人が生まれた年は、どのような年だったのか。音楽やスポーツで新星が登場。経済状況は芳しくなかったものの、ワイドショーは著名人の「けんか」でにぎわった。当時の流行を追うと、20年という歳月の流れの早さに驚くはずだ。【大村健一/統合デジタル取材センター】

「凡人・軍人・変人」が競った自民党総裁選 欧州で「ユーロ」始まる

1998年7月、参院選で議席を減らした責任を取って退陣した橋本龍太郎首相(左端)と握手する総裁選立候補者。橋本氏の右から当選した小渕恵三氏、小泉純一郎氏、梶山静六氏で、この3人を田中真紀子氏は「凡人(小渕氏)・軍人(梶山氏)・変人(小泉氏)」と話し、この年の新語・流行語大賞となった=自民党本部で1998年7月24日午後3時半、関口純撮影

 98年7月の参院選は、この年4月に野党4党が結集してできた新しい「民主党」や共産党が躍進し、橋本龍太郎首相は退陣。その後の自民党総裁選に小渕恵三、梶山静六、小泉純一郎の3氏が立候補し、小渕氏が当選。3氏を「凡人(小渕氏)・軍人(梶山氏)・変人(小泉氏)」と評した自民党の田中真紀子衆院議員の言葉は、この年の新語・流行語大賞に選ばれた。

 経済状況はバブル崩壊以降、悪化の一途をたどった。98年10月には日本長期信用銀行が融資先の経営不振や株価下落による損失などを原因に破綻。2000年に米投資組合に売却され、新生銀行に改称した。99年2月、日銀は金融機関同士で資金をやり取りする際の金利をゼロに近づける、世界で前例のない「ゼロ金利政策」に踏み切った。

 海外に目を向ければ、欧州連合(EU)のうち11カ国が99年元日、通貨を「ユーロ」に統合。米国に迫る巨大な経済圏が誕生した。ユーゴスラビア連邦セルビア共和国コソボ自治州をめぐる民族紛争で、北大西洋条約機構(NATO)軍は99年3月に旧ユーゴ連邦全域の軍事施設への空爆を開始。作戦長期化につれ民間施設にも被害が拡大し、在ユーゴ中国大使館誤爆事件なども起こったが、同年6月まで続いた。

和歌山毒物カレー事件が発生 若貴、ミッチー・サッチーの「けんか」も

1998年7月に発生した和歌山・毒物カレー事件。夏祭りでカレーを食べた来場者が次々と救急車で病院に運ばれた=和歌山市園部で1998年7月撮影

 98年7月、和歌山市内の夏祭り会場で、カレーライスを食べた67人が急性ヒ素中毒を発症し、うち子供2人を含む4人が死亡した和歌山・毒物カレー事件が発生。09年に最高裁で死刑が確定した林真須美死刑囚は無罪を訴えているが、再審請求は和歌山地裁で棄却され、現在は大阪高裁に即時抗告中だ。

 それ以外にも、ワイドショーをにぎわせたニュースが多かった。98年9月の秋場所前、史上初めて兄弟横綱となった兄・若乃花と弟・貴乃花の間に亀裂が入った。貴乃花の「(若乃花の)相撲には基本がない」という発言から始まった一方的な絶縁宣言に、父親の二子山親方の口から「貴乃花は(整体師に)洗脳されている」というショッキングな言葉まで飛び出した。

1998年9月、兄弟横綱の貴乃花と若乃花の不仲が表面化。写真は優勝額贈呈式で報道陣から「握手を」との声にそっぽを向いて帰る弟・貴乃花と苦笑いをする兄・若乃花=国技館で

 また、99年3月末に女優の浅香光代さんと、野村克也さん(当時は阪神タイガース監督)の妻・沙知代さんの間で「ミッチー・サッチー騒動」が勃発。古希近い2人の口論はさまざまな芸能人を巻き込み、ワイドショーの格好の「ネタ」となった。

スポーツの話題は「横浜」から 松坂、大魔神、フリューゲルス

38年ぶりの日本一を決め、両手を上げて喜ぶプロ野球・横浜ベイスターズの佐々木主浩投手=1998年10月26日、宮本明登撮影

 98年、スポーツ界は横浜を中心に盛り上がった。甲子園の主役は史上5校目の春夏連覇を達成した、松坂大輔(現中日ドラゴンズ)投手を擁する横浜高だ。特に、夏の甲子園の準々決勝以降の戦いは高校野球史に残る名試合が続く。

 準々決勝のPL学園戦は、延長十七回の接戦で250球の完投。翌日の準決勝の明徳義塾戦は疲労を考慮して当初は外野の守備についたが、八回表まで0対6の劣勢に追い込まれる。しかし、八回裏に4点を返すと、九回表は松坂投手が満を持して登板して無失点。勢いづいたチームは九回裏に逆転サヨナラ勝ちした。そして決勝の京都成章戦はノーヒット・ノーラン(無安打無得点試合)で頂点に立った。

 プロ野球は、佐々木主浩(かづひろ)投手が抑えとして大車輪の活躍を見せたセ・リーグの横浜ベイスターズが38年ぶりに日本一。佐々木投手の愛称「ハマの大魔神」は新語・流行語大賞に選ばれた。一方、パ・リーグの千葉ロッテマリーンズは同年に日本記録の18連敗を喫した。

チームの吸収合併が決まった後、快進撃で天皇杯優勝を決め、山口素弘主将を先頭に場内一周をする横浜フリューゲルスイレブン=国立競技場で1999年1月1日、平野幸久撮影

 また、Jリーグでは発足時から参戦していた横浜フリューゲルスが98年10月、横浜マリノスに吸収合併されることが発表された。サポーターが撤回を求める中、チームは奮起し、99年元日に開催された天皇杯で優勝し、意地を見せた。現在の「横浜F・マリノス」の「F」の字はフリューゲルスが由来だ。

 サッカー日本代表は98年6月、フランスワールドカップ(W杯)で初めてW杯の舞台に立った。グループリーグで3戦全敗して敗退したが、いずれも1点差で、4年後の日韓W杯での飛躍のきっかけを作った。

 同年は米大リーグで、カージナルスのマーク・マグワイア選手が新記録となるシーズン70本塁打をマーク。しかし後年、記録達成時に禁止薬物を使用していたことを認めたため、野球殿堂入りは果たせていない。

大阪で全国初めてのライブを行いファンを魅了した宇多田ヒカルさん。1999年3月に発売した最初のアルバム「First Love」は国内史上最高の売り上げを記録した=大阪市北区で1999年4月1日午後、尾籠章裕撮影

CDが最も売れた時代 才能あふれる若き歌姫たちのデビューと、ベスト盤ブーム

 98~99年にかけて、史上最大級の売り上げを記録したCDが相次いで発売された。98年12月にシングル「Automatic」でデビューした宇多田ヒカルさんは抜きんでた歌唱力と、15歳と思えぬ大人びた自作曲で一躍、人気者に。99年3月に発売した最初のアルバム「First Love」は700万枚を超える売り上げ(オリコン調べ)を記録し、国内で史上最も売れたCDとなった。

1998年5月に急死したミュージシャンのhideさん。「X JAPAN」で活躍し、ソロ活動も積極的に行っていたカリスマの訃報を多くのファンが驚き、悲しんだ

 椎名林檎さんも98年5月にデビューし、翌99年2月に発売したアルバム「無罪モラトリアム」が大ヒット。同年3月はNHKの「おかあさんといっしょ」で人気を博した「だんご3兄弟」も300万枚近い売り上げを記録した。

 また、98年は大物ミュージシャンが相次いでベストアルバムを発売し、大ヒットした。B’zはデビュー10周年を記念して「Pleasure」と「Treasure」の2枚を発売し、いずれもアルバム歴代売り上げランキングでトップ5に入る大ヒット。サザンオールスターズの「海のYeah!」、松任谷由実さんの「Neue Musik(ノイエ・ムジーク)」も300万枚以上売れた。

 97年にベストアルバム「REVIEW」が売り上げ400万枚を超えたGLAYをはじめ、「ビジュアル系」と呼ばれるそれぞれの世界観を表したファッションをまとったバンドのブームが本格的に到来。先駆けとなった「X JAPAN」はこの時期、解散していたが(07年再結成)、メンバーのhideさんは精力的なソロ活動を展開していた。しかし98年5月に突然の死去。33歳のカリスマギタリストの訃報に、多くのファンが悲しみにくれた。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」と「だっちゅーの」

フジテレビ系ドラマから映画化された「踊る大捜査線」の映画第1作の公開初日、東京都内の映画館では「もののけ姫」を上回る3200人が行列をつくった=東京・有楽町マリオンで1998年10月31日撮影

 ドラマはこの時期、反町隆史さんが元不良の教師を演じた「GTO」、江角マキコさんが気っ風のいいOLを演じた「ショムニ」といった漫画を原作にしたフジテレビ系連続ドラマが人気を集めた。連続ドラマを映画化した「踊る大捜査線 THE MOVIE」は98年10月に公開されて大ヒット。「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」は邦画史に残る名ぜりふだ。

 爆笑問題、ネプチューンといったフジテレビ系のバラエティー番組「ボキャブラ天国」に出演したお笑い芸人たちが相次いでブレークした。出演していた女性コンビ「パイレーツ」による「だっちゅーの」も新語・流行語大賞に選ばれた。

スケルトンの「iMac」でアップル復活へ 「iモード」もサービスを開始

1998年に発売された「iMac」はスケルトンの半透明デザインでも人気を集めた。写真は99年10月に発売された「iMacDV」

 98年8月、米アップル社から初代の「iMac」が発売された。低価格で高機能、半透明の洗練されたデザインも好評で、ライバルのマイクロソフトに押されていた同社にとって起死回生のヒットとなった。一方、マイクロソフトは同年7月、基本ソフト(OS)「Windows(ウィンドウズ)98」の日本語版を発売した。セガの家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」の発売も98年11月。同社役員だった「湯川専務」を起用した異色のテレビCMも話題となった。

1999年ごろから流行した「ヤマンバ」メーク=東京都の渋谷周辺で1999年、武市公孝撮影

 99年2月にはNTTドコモが「iモード」のサービスを開始。携帯電話からインターネットのサービスを受けられるようになったことで飛躍的に利便性は増し、ポケベルやPHSから携帯電話への移行が進み始めた。

 ファッションでは「コギャル」ブームが続いたが、特徴の一つの「ガングロ(顔を茶色や黒に染めること)」の黒さをさらに進めた「ヤマンバギャル」が登場したのもこの時期だ。

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