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阪神大震災の教訓生かしたい 元消防士がカンボジアに病院

 阪神大震災で救急活動をした神戸市消防局の元消防士、正井潔さん(69)が設立に関わった救急病院が昨年12月、カンボジアの首都プノンペンで開業した。正井さんは「大災害への備えが不十分だった」と24年前を悔やみ、現地で8年間指導してきた。「想定外は許されない」との厳しい姿勢は言葉の壁を越えて伝わる。正井さんは17日、神戸市中央区で開業の経緯や救急にかける思いを講演する。

 病院は「JPRポリクリニック」。正井さんが代表を務めるNPO法人「日本国際救急救助技術支援会(JPR)」にちなんで名付けた。正井さんと親交のある芦屋セントマリア病院(兵庫県芦屋市)が資金を出し、3階建ての建物に20床のベッドを確保。昨年12月20日に開業し、現地の医師4人が治療にあたり、日本の医師らも指導や応援をする。カンボジアは医療保険制度が未熟で診察料が高いが、庶民でも利用できる金額に設定した。

カンボジアで開業した病院への思いを語る正井潔さん=兵庫県芦屋市で2018年11月、黒詰拓也撮影

 原点は阪神大震災の苦い経験だ。正井さんは1995年1月17日、生田消防署(当時)の救急小隊長として当直中だった。「何人も生き埋めになった」「声がだんだん小さくなってきた」。署に飛び込んでくる人の必死の形相が目に焼き付く。「救急救命士」の第1期生だったが「力が足りなかった」と資格を十分生かせなかった。

 震災から10年の2005年1月17日、親しい消防職員とJPRを設立。活動の一環で08年にプノンペンに行き、救命や医療を懸命に学ぼうとする現地の人たちの姿に心を打たれた。10年3月の定年退職後、カンボジアに定住。救急隊がないため陸軍と協力し救急に従事できる人材の育成を進め、消火活動や心肺蘇生などを何度も実践し身ぶり手ぶりで指導した。

 14年にカンボジア国王から勲章を贈られ、昨秋から警察にも救急指導を始めた。「日本の技術を伝えるのが長年の夢だった。今後も続けたい」。講演は17日午前10時から、神戸市中央区の神戸国際会館で。【黒詰拓也】

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