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岩城けいさんが新作『Matt』 移民の葛藤「自分は何者?」

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 オーストラリア在住の作家、岩城けいさんが新作『Matt(マット)』(集英社)を刊行した。日本からの移民としてオーストラリアで生きる高校生が、同級生と衝突し、もがく物語。ひりひりするような若者の感情が伝わる。岩城さんは「『自分は何者か』というアイデンティティーの形成を書きたかった」と話す。

 主人公の少年期を描いた前作『Masato』の続編。親の仕事の都合でオーストラリアに渡った真人は高校生になり、ニックネームのマットを名乗り生きるようになる。だが、同じ名前のマットという同級生とトラブルになる。同級生は「俺の祖父は日本人に人生を台無しにされた」「お前は何も知らないんだな」と主人公を責め、差別用語を使って食ってかかる。第二次世界大戦での日本軍の攻撃のことだ。

 対極とも言える相手に反発しつつ、主人公は歴史やルーツの問題を突きつけられ、向き合っていく。<「おれ、こんな自分、大嫌いだ! I hate myself!」>と自棄になる心理も痛々しくつづる。

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