メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

工芸の地平から

彫刻家自ら鋳造と格闘=外舘和子

中村義孝「力士」=作家提供

 昨年、ローマのクロチェッティ美術館と筑波大で「日伊ブロンズ彫刻家交流展」が開催された。会場には自ら鋳造に携わる作家ならではの、繊細な鋳肌を持つ作品や、鋳造時に金属が木を燃やしながら最終的に木と一体の造形を築く作品など多様な作品が並んだ。

 「彫刻」という概念が現れた明治期、人間をモチーフに塑像や木彫を原型とするブロンズ像が盛んに作られたが、当時の日本の彫刻家の役割はあくまでも原型制作であり、鋳造は職人に任せることが普通であった。僅かに鋳造技術を学ぶ彫刻家もいたが、ブロンズ化は概(おおむ)ね原型の形に耐久性を持たせるための手段であり、金属の素材感や鋳造までの工程を表現に生かす“創造行為としての鋳造”という発想は殆(ほとん)ど見られなかった。日本の多くの彫刻家にとってブロンズは実材ではなく二次的な素材という位置づけであった。

 しかし1950年代以降、マンズーらイタリアの具象彫刻が日本に紹介されると、その美しい鋳肌や現代的な…

この記事は有料記事です。

残り672文字(全文1087文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「いじめられていないんやな」前校長が「否定迫る」 神戸の教諭訴え

  2. 北大、脅迫メールで「金葉祭」中止を発表 イチョウ並木ライトアップのイベント

  3. 元「KAT-TUN」田口被告捜索動画 厚労省がテレビ制作会社に提供

  4. 名阪国道、奈良知事が異例の有料化要望 トラック流入で事故や渋滞多発

  5. TBS、やらせあった「消えた天才」「クレイジージャーニー」放送終了

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです