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国名「北マケドニア」へ変更の背景 NATO・EU加盟に道 ロシア強く反発か

憲法改正を審議する議会の建物の前で、抗議の声を上げる国名変更反対派の市民=スコピエで11日、ロイター

 【ウィーン三木幸治】バルカン半島のマケドニアの議会(定数120)は11日夜、国名を「北マケドニア」に変更する憲法改正案を承認した。国名に反対してきたギリシャとの合意に基づく変更で、これでギリシャに阻止されてきた北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の加盟に道が開くことになる。マケドニアの「取り込み」を目指してきた欧米は、国名変更を「歴史的(な決定)」と歓迎。一方、NATOなどの東方拡大を懸念するロシアは強く反発するとみられる。

    マケドニアを巡る構図

     11日の投票は賛成が81人で、憲法改正に必要な議員の3分の2(80人)をかろうじて上回った。ザエフ首相は11日、国名変更承認で「未来への扉が開かれた」と述べた。

     マケドニアは6月にギリシャと国名変更で合意。だが国名変更の是非を問う9月の国民投票では賛成票が9割に達したものの、投票率は3割強にとどまり、成立要件(50%)を満たさず不成立となった。与党・社会民主同盟は国名変更を支持したが、最大野党の国家統一民主党は「アイデンティティーを守るべきだ」と主張し反対した。

     問題は「欧米対ロシア」の対立構図が表面化した形。ロシアの影響が強かったバルカン半島で親欧米国を増やしたい米国とEUはマケドニアのNATO加盟を望んで与党を支援し、影響力を強化したいロシアは野党を後押しした。

     国民投票が不成立となった後、与党は議会を通じた憲法改正で国名変更する方針に転換。憲法改正に必要な3分の2の議席を確保するために、野党分裂を図った。昨年12月には「恩赦法」の可決に持ち込み、同4月に起きた国会襲撃事件で逮捕された一部の野党議員を罪に問わないことを定めた。この結果、野党議員8人が国名変更賛成に回り、憲法改正が承認された。早ければ今月中に、ギリシャ議会で国名変更が批准され、新たな国名が正式決定される。

     専門家は「恩赦は法の支配を弱める行為」と批判。だが、通常は「法の支配」を重視するEUは「(マケドニア)社会の和解のため、恩赦は重要」との声明を出し、米国も賛意を示した。

     マケドニアがNATOに加盟した場合、バルカン半島のNATO未加盟国はボスニア・ヘルツェゴビナとセルビア、親米のコソボだけとなり、欧米の影響力が一層強まる。マケドニアのジャーナリスト、ナセル・セルマニ氏は「国名変更が失敗したらマケドニアはロシアの影響力が強まり、緊張状態が続くセルビア・コソボ関係にも悪影響を及ぼしていた。恩赦に賛否両論はあるが、国名変更のために他の選択肢はなかった」と評価した。

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