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「恵子、一緒に食べようね」再会待つ有本さん両親

娘の恵子さんの無事を願い、今も毎食欠かさず用意される陰膳を前に食事する有本嘉代子さん(左)と明弘さん。2人とも薬が手放せなくなった。嘉代子さんは最近、「毎晩のように、せかされるような夢を見て目が覚める」という=神戸市で2019年1月8日、竹内紀臣撮影

 手を打つ乾いた音が4回響いた。正月飾りがかかった居間の神棚に向かい、有本嘉代子さん(93)=神戸市長田区=はつぶやいた。「恵子が無事でおりますように」。北朝鮮に拉致された娘を思い毎朝晩、手を合わせる妻の背中を夫明弘さん(90)が見つめていた。

     恵子さんは1983年、英国留学から帰国直前に拉致された。23歳だった。2002年の日朝首脳会談で、北朝鮮は一方的に「死亡」を宣告したが、両親は生存を信じ、救出活動に駆け回ってきた。

     帰国を待つ間、親も年を重ねてきた。嘉代子さんは16年春に心臓を手術してから体調がすぐれず活動を控えてきた。だが昨年、米朝首脳会談で解決への期待が高まった。「これが最後」と決意し、明弘さんの押す車いすで年末の支援集会に参加し、声を振り絞った。

     「大丈夫? 無理したらだめよ」。体調を気遣い、横田めぐみさん(行方不明時13歳)の母早紀江さん(82)から月に数回電話が入る。「いつも恵子とめぐみちゃんが帰ったら、一番に謝らなあかんなと話してるんです。長いこと助けてあげられなくてごめんねって」

     三女の恵子さんは6人きょうだいの中で一番おとなしかったが、留学だけは親の反対を押し切った。1年後の帰国を心待ちにしていたが、戻らなかった。それから35年。今年も元日、ひ孫ら20人以上が集まった。「生きてるうちにと、ずっと思っている。一日でも早く会いたい」。12日、恵子さんは59回目の誕生日を迎えた。【堀智行】

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