病理検査にAI活用へ 胃がん判定で正解率8割 日本病理学会

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病理検査の試料は顕微鏡を使って調べる=京都大病院の吉澤明彦医師提供
病理検査の試料は顕微鏡を使って調べる=京都大病院の吉澤明彦医師提供

 組織や細胞を患者から採取し、がんの有無などを調べる病理検査に人工知能(AI)を導入しようと、日本病理学会が取り組んでいる。既に8割近い正解率で胃がんを判定でき、「病理医のサポートができるレベル」にあるという。医師不足や見落としミス軽減の救世主として期待される。

 がんなどが疑われる部位を薄く切り取り、病理医が顕微鏡で調べて病気の確定診断をする。がんの場合は悪性度なども判定し、主治医が治療方針や手術方法を決める参考にする。

 しかし、病理医の人手不足と高齢化が深刻だ。同学会によると、国内の病理専門医は医師全体の0・8%に当たる約2500人(2012年時点)。平均年齢は50歳を上回る。学会の研修認定施設ですら16年の調査で、病床数が400超の510病院の半数近くで常勤病理医が0~1人だった。

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