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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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無意識の壁を取り払う 「国語」と「日本語」の間=京都大教授・中西寛

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中西寛・京都大教授=京都市左京区で2016年3月14日、小松雄介撮影
中西寛・京都大教授=京都市左京区で2016年3月14日、小松雄介撮影

中西寛(ひろし)

 はやりの言い方をするなら、「平成最後」の新年を迎えた。すでに平成回顧が盛んになっているが、約30年を概括すれば、昭和戦後時代の制度や構造が保たれる一方で、社会の現実は大きく変化し始めた時代と言えるだろう。その底にある最も基本的な変化は、周知のように人口構造の変化である。平成10(1998)年ごろには15歳以上65歳未満の生産年齢人口が減り始め、平成20年ごろには日本の総人口が減少し始めた。

 これに対して労働力人口は平成の後半以降ほぼ横ばいだ。労働力人口は15歳以上で報酬のある仕事をしたり、その意欲のある人と定義されるので、専業主婦が報酬を得る仕事をするようになったり、高齢者が引退せずに雇用されたりすることで維持されてきたのである。これだけの観察でも、平成という時代は、基底的な人口構造の変化にもかかわらず、部分的な適応によって、昭和の枠組みを保ってきたことがうかがえる。

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