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堀江敏幸・評 『ぼくの伯父さん 長谷川四郎物語』=福島紀幸・著

 (河出書房新社・4752円)

禁欲的に描いた「共作」

 長谷川四郎は、一九〇九年、函館に生まれた。父親の淑夫(よしお)は佐渡の出身で、東京で学んだあと、郷里にできたばかりの尋常中学校の英語教師を三年ほど務めた。その間の教え子に、北一輝がいる。やがて「北海新聞」主筆となり、筆禍で投獄されたものの、「函館新聞」に迎えられると、北一輝と関わりのある行地社を通じて大川周明を知り、満州建国の理想を追うようになる。

 四郎はその名のとおり四人兄弟の末っ子である。長兄海太郎(かいたろう)は、林不忘(ふぼう)、牧逸馬(…

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