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がんドクトルの人間学

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がんドクトルの人間学

進歩する放射線診断・治療=山口建(県立静岡がんセンター総長)

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 放射線は、高いエネルギーを持つ電磁波と、高速で飛ぶ粒子の集まりである粒子線の総称です。電磁波にはX線、ガンマ線が、粒子線にはアルファ線、ベータ線、中性子線、陽子線、重粒子線などが含まれ、それぞれの特色をいかし、病気の診断や治療に役立てられています。

 1895年、真空容器内で強い電圧をかけた時に発生する放電現象を研究していたドイツのウィルヘルム・レントゲンは、偶然、目には見えず、厚い紙を貫通し、写真乾板を感光させる新しい光線の存在に気づき、「未知の光線」という意味でX線と名付けました。写真乾板に手を置き、X線を当てると、手の形や骨、指輪などが映し出されることから、医療への応用が始まり、現在のX線撮影装置が開発されました。X線の発見者に敬意を表し「レントゲン線」や「レントゲン装置」と呼ばれています。

 次いで98年、化学・物理学者のキュリー夫妻は、ある種の鉱石が自然に放射線を放出していることを発見し、ラジウムやポロニウムのような放射性物質であることを突き止めました。発見直後、放射線は皮膚にやけどを引き起こすことが知られ、その効果を利用して皮膚がんや皮膚の病気の治療が試みられました。

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