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淡路島で被災、防災担当の教員に 「次世代に伝えたい」 阪神大震災24年

長男歩志ちゃん(左)、長女花遥ちゃん(右)と一緒に祖父の墓(右端)にお参りに訪れた辻紫央里さん=兵庫県淡路市で2018年12月26日、大西達也撮影

 兵庫県立淡路高(淡路市)の教諭で防災教育を担当する辻紫央里(しおり)さん(38)は、阪神大震災で祖父の田中禎一(ていいち)さん(当時78歳)を失った。24年前は中学2年だった辻さんはショックで現実を直視できなかった。東京の大学を出て故郷・淡路島に戻り、いざという時対応できるよう生徒を導く。2児の母になり「震災を経験していない子どもたちが次の世代に伝えることが防災に役立つ」と信じている。

 「世界は終わった」

 1995年1月17日早朝、激しい揺れの後、旧北淡(ほくだん)町(現淡路市)の自宅で玄関ドアを開けた瞬間、砂煙に覆われ、周りの民家はすべて倒壊していた。近所の鮮魚店で開店準備中だった禎一さんは店の下敷きに。出刃包丁で魚をさばく職人かたぎの祖父の死。ぼうぜんとして涙も出ず、当時の記憶もあまりない。

 東京の大学を卒業後にUターン。2009年に淡路高で教師生活をスタートした。当時の校長から「今後の防災教育の担い手に」と勧められ、被災地の学校で学習支援や避難所の運営にあたる県教委の震災・学校支援チーム「EARTH」に入った。00年に設立し、現在175人が加入するが、震災当時に教員だったメンバーは3分の1。実体験を語れる存在は貴重で、県内外の教職員らに語る。

 生徒たちを北淡震災記念公園(淡路市)の野島断層保存館に連れていき、地震の脅威を実感させる。地元のお年寄りと避難経路を確認し、生徒が防災マップにまとめる。被災した経験がなくても「今、地震が起きたらどうするか」と想像力を働かせ、その次の世代への語り部に育てる。

 15年に地元の市職員と結婚、2児に恵まれた。長女花遥(かのん)ちゃん(2)と長男歩志(あゆむ)ちゃん(1)には「地震は怖いよ」と伝え、禎一さんのお墓参りにも必ず連れていく。昨年6月の大阪北部地震では、淡路市でも震度4を観測。花遥ちゃんは「お母さん。地震怖かったね」と自然と口にした。「この子たちもいずれは語り部に」と遠い未来も見つめている。【黒川優】

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