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余録

大人になるとはどんなことか…

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 大人になるとはどんなことか。きょうは平成最後の成人の日。詩人の茨木(いばらぎ)のり子に<大人になるというのは>で始まる詩がある。すれっからしになることだと考えていた自分が、立ち振る舞いの美しい、すてきな女性に出会う▲詩は続く。<そのひとは私の背のびを見すかしたように なにげない話に言いました 初々しさが大切なの 人に対しても世の中に対しても 人を人とも思わなくなったとき 堕落が始るのね-->▲その人は新劇の名女優、山本安英(やすえ)。木下順二の「夕鶴」のつうの役で知られる。戦争に協力する芝居には関わらず一線を退いたが、戦後すぐに復帰する。文芸の道を志した茨木はやがて山本と知り合い、交流が始まる。茨木21歳、山本40代はじめの頃だった(後藤正治氏著「清冽(せいれつ) 詩人茨木のり子の肖像」)▲この春には選挙権が18歳に引き下げられて初の統一地方選がある。平成の次の時代には18歳が成人年齢に。若くても大人社会の一員となる。その大人とは。茨木のように人との出会いで気づくこともある▲73歳の時の詩集「倚(よ)りかからず」の表題作がある。できあいの思想、できあいの宗教、できあいの学問、いかなる権威--いずれにももはや倚りかかりたくないと茨木は言う▲詩にはこうある。<ながく生きて 心底学んだのはそれぐらい じぶんの耳目 じぶんの二本足のみで立っていて なに不都合のことやある>。彼女の詩を読むと、本当の大人になることの難しさと奥深さを教えられる。

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