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毎日芸術賞の人々

すべての芸術分野を対象に、優れた成果に贈られる「毎日芸術賞」。受賞者の横顔を紹介する。

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毎日芸術賞の人々

/4止 大林宣彦さん

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毎日芸術賞特別賞を受賞した映画監督の大林宣彦さん=根岸基弘撮影
毎日芸術賞特別賞を受賞した映画監督の大林宣彦さん=根岸基弘撮影

 ◆映画部門 特別賞 映画「花筐/HANAGATAMI」

だまされた怒りが原動力

 「僕一人の力によるものではありません。スタッフやキャスト、みんなが力を出し切って、いい作品にしてくれた」。穏やかな表情で受賞を喜んだ。

 映画「花筐/HANAGATAMI」は、第二次世界大戦前夜の佐賀・唐津を舞台にした青春群像劇。檀一雄原作の小説を基に、戦争の足音が近づく中、旧制高校生が死を覚悟しながら精いっぱい生きる姿を描いた。約40年前から映画化したいと願い続けてきた作品だが、当初は映画関係者に持ちかけても「こんな時代に戦争の話なんて、誰も見ない」と見向きもされなかったという。

 今になって「花筐」の映画化が実現し、評価されたことの意味を考えると、複雑な気持ちもあるともらした。「こういう映画が注目されること自体、多くの人が現代の日本に戦争のにおいや、危うさをかぎ取っているということでしょう。恐ろしい時代になっているのではないか」

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