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<第91回選抜高校野球大会>
体育館に子供たちの歓声が響いた。先月27日、金津が校内体育館で催したティーボール教室。学校近くのこども園の園児たちを招き、野球部員22人が講師役を務めた。部の競技普及活動の一環だ。
市内唯一の高校である同校は県内有数の進学校で、平日の練習時間は2時間程度。土日曜日も補習や模擬試験などがあり練習を存分にできるわけではない。限られた練習時間を削って普及活動に力を入れるのは、廃部の危機感からだ。
同校のある福井県あわら市は過疎化が進み、人口は2004年に2町合併で誕生した時の約3万2000人から約2万8000人に減り、小学校は10校から7校に。11年就任の斎藤滋監督(51)は「都市部から高校生が流入する可能性はほぼない。地元に残って野球を続けたいと思ってもらわないと、部の存続に関わる」と訴える。
数年前から地元中学生の合同練習会に部員が手伝いで参加するようになり、17年から少年野球チームとの交流会も実施。昨年は幼児対象のティーボール教室を始めた。これらの取り組みを昨秋から「金津野球キャラバン」と名付け、今後はさらに活動を広げていく方針だ。奥出泰規主将(2年)は「短い時間で野球の楽しさをどう伝えるか工夫することで、自分たちも野球を考えることにつながる」と説明する。
チームは近年、躍進が著しく、秋季県大会で一昨年初優勝、昨年準優勝で北信越大会に2年連続出場。地元出身者ばかりで、ずぬけた選手はいないが、組織力でカバーする。例えば、バッテリーはゴロよりも失策のリスクの低いフライを打たせる配球を研究・工夫し、外野手はフェンス際やグラブ先で捕球する練習を繰り返す。斎藤監督は「(好プレーは)神がかりと言われるが、そういう練習をしている」と断言する。
21世紀枠候補校選出は2年連続で、斎藤監督にとっては第79回大会(07年)の候補校だった武生商(福井)監督時代を含めて3回目。練習の見学に訪れる地元住民も増え、地域の期待も膨らんでいる。【石川裕士】=つづく
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