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サリンジャー生誕100年 映画「ライ麦畑」公開で読み直すと 現代日本に響く「戦場」

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映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」の1場面(ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ提供)© 2016 REBEL MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」の1場面(ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ提供)© 2016 REBEL MOVIE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 代表作「ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)」が今も世界中で多くの読者を得ている米国の小説家、J・D・サリンジャーの生誕から100年。決して多いとは言えないその作品から、現代の日本の読者は何を読み取れるのか。サリンジャーの戦争体験に基づく伝記映画の公開を機に考えてみた。【井田純】

死と隣り合わせ、背景に喪失体験

 サリンジャーは1919年1月1日、ニューヨークでユダヤ系の家庭に生まれた。40年に短編「若者たち」でデビュー。51年出版の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」は、これまでに30カ国語に翻訳され、世界で6500万部以上が刊行される大ベストセラーとなっている。

 「キャッチャー」は、高校を退学となった16歳のホールデン・コールフィールドがニューヨークをさまよう数日間の物語。街で出会う人や出来事、主人公が感じる大人社会の偽りに対する反発を、一人称の語りの形で描写していく。作者の意図や書かれた背景を知らない読者にも、青春小説の名作として国境や時代を超えて読まれてきた。

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