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社説

英下院がEU離脱案否決 超党派で危機回避へ策を

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 英下院がメイ首相と欧州連合(EU)が合意したEU離脱案を否決した。賛成202、反対432というメイ政権としては歴史的な大差での敗北となった。

     否決要因は与党・保守党の4割近い118人が造反したのが大きい。

     メイ氏は21日を期限に代替案を作ることを表明している。しかし与野党を含め反対派がこれだけ大勢となっては至難の業となろう。

     与党内では主に離脱強硬派が、合意案のうち特に北アイルランドの国境問題で英国がEUの関税同盟に長く拘束される可能性を残している点に反発した。つまり「EUの属国にはならない」という主張だ。メイ氏は強硬派を説得できなかった。

     一方、最大野党・労働党は残留派と離脱派に割れていながら「メイおろし」で結束し、ほとんどが反対票を投じた。採決後、内閣不信任案も提出した。党利党略がむき出しになった形である。

     3月29日の離脱予定日へ向けて不透明感はいっそう強まっている。EUのユンケル欧州委員長は「無秩序な離脱のリスクが高まった」と語った。「合意なき離脱」は最悪のシナリオである。突入すれば一夜にして関税と税関業務が生じ、経済の大混乱が想定される。

     メイ氏はその危機を回避するための方策を考えねばならない。代替案に関しては与党・保守党議員だけでなく、労働党とも協議して原案を練り直した上で、EUと協議する方針だという。

     EU側は容易には受け入れず、与野党の対立も激しいが、妥協に向け動かなければ活路は見いだせない。

     残留派を含む労働党議員には、より穏健な離脱案を示し、協調を求める手はある。非EU加盟国ながらEU単一市場に参加している「ノルウェー方式」はその一案だろう。

     合意なき離脱のほか、離脱日の延期、離脱の一方的断念、再度の国民投票実施など、さまざまな選択肢が取りざたされている。

     世界第5位の経済力を持つ英国がこれ以上迷走してはならない。企業約1000社が英国に進出している日本も懸念が募るばかりだ。

     残された時間は少ない。メイ氏は党派を超えて多数派を形成する努力をしなければならない。

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