第3部 企業はいま/7 研究と就活、両立に悩み 博士課程、就職難で入学者減 専門性、高評価の動きも
毎日新聞
2019/1/17 東京朝刊
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<科学の森>
「学位取得が最優先で、準備に手が回らなかった」。東京都内の私立大理工学部に博士研究員(ポスドク)として籍を置く男性(32)は、2017~18年に経験した就職活動を振り返った。学部時代から続けていた研究は面白かったが、安定したポストを得にくい学術界に残ることには不安があった。博士号取得を目前にした17年夏、企業への就職を決意。「年齢的に新卒と内定を競うのは難しい」と、中途採用を狙って転職サイトに登録した。
しかし、日中は研究や論文執筆に加え、研究室の後輩の指導に追われた。深夜や休日にエントリーシートを書き、数社に応募したが採用に至らなかった。博士号取得後はポスドクになったが、休職して就活に励み、昨年暮れにようやくIT系企業に内定を得た。
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