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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第3部 企業はいま/7 研究と就活、両立に悩み 博士課程、就職難で入学者減 専門性、高評価の動きも

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 <科学の森>

 「学位取得が最優先で、準備に手が回らなかった」。東京都内の私立大理工学部に博士研究員(ポスドク)として籍を置く男性(32)は、2017~18年に経験した就職活動を振り返った。学部時代から続けていた研究は面白かったが、安定したポストを得にくい学術界に残ることには不安があった。博士号取得を目前にした17年夏、企業への就職を決意。「年齢的に新卒と内定を競うのは難しい」と、中途採用を狙って転職サイトに登録した。

 しかし、日中は研究や論文執筆に加え、研究室の後輩の指導に追われた。深夜や休日にエントリーシートを書き、数社に応募したが採用に至らなかった。博士号取得後はポスドクになったが、休職して就活に励み、昨年暮れにようやくIT系企業に内定を得た。

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