<科学の森>
「学位取得が最優先で、準備に手が回らなかった」。東京都内の私立大理工学部に博士研究員(ポスドク)として籍を置く男性(32)は、2017~18年に経験した就職活動を振り返った。学部時代から続けていた研究は面白かったが、安定したポストを得にくい学術界に残ることには不安があった。博士号取得を目前にした17年夏、企業への就職を決意。「年齢的に新卒と内定を競うのは難しい」と、中途採用を狙って転職サイトに登録した。
しかし、日中は研究や論文執筆に加え、研究室の後輩の指導に追われた。深夜や休日にエントリーシートを書…
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