- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷

阪神大震災で神戸大4年の長男、藤原信宏さん(当時22歳)を亡くした宏美さん(78)、美佐子さん(74)夫婦=津市=は17日午後、神戸市灘区の同大で営まれた慰霊式に出席した。「今年も会いに来られたよ。見守っていてね」。悲しみに暮れる両親を支えてきたのは、息子の形見の腕時計。宏美さんは「元気でいられるのも腕時計が守ってくれているおかげ」と、いつも身に着けている。時を刻む針の動きを見るたび、息子がそばにいると感じる。
あの日、津市も震度4を観測した。テレビで見た神戸の街は変わり果てていた。電車が復旧し、神戸市東灘区の下宿先のアパートに駆けつけたのは2日後。信宏さんの部屋がある1階は完全に押しつぶされていた。翌日、遺体が運び出された。
この記事は有料記事です。
残り535文字(全文853文字)