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余録

一同は天を見た…

 一同は天を見た。「ごらんなさい!」「高いところにいる偉大な農夫は種を惜しまない」「火の雨が降る」「獅子座の流星群だ! 11月という天の花火師が、手にいっぱい金の穀粒をつかんで夜の中に投げる」▲ロマン・ロランの戯曲「獅子座の流星群」の終幕、フランス革命で祖国を追われた亡命貴族と革命家の家族らの新たな旅立ちを象徴する夜空の祝祭である。18世紀末のしし座流星群の大出現を一連の革命劇の大団円(だいだんえん)にした作品だった▲では「高いところの偉大な農夫」のように、「金粒をつかむ天の花火師」のように、流れ星を夜空にばらまけたらどんなに楽しいか。そんな夢想を現実にする人工衛星がきょう打ち上げ予定のイプシロンロケット4号機に搭載される▲東京の宇宙ベンチャーが開発したその衛星「ALE-1」は縦横60センチ高さ80センチの機体に流星のもととなる直径1センチの粒400個を収納する。軌道上で粒を放出すると、高度80~60キロの大気圏で高温となり、緑やオレンジの光を発する▲まさに流星ショーを花火のように演出できる衛星である。実証実験は来春行われ、広島県の半径100キロの範囲で約1分間の「夜空の祝祭」が楽しめる。この技術は高層大気の観測や、宇宙ごみ廃棄のデータ収集にも貢献できるそうだ▲流れ星といえばやはり願い事か。夜空をよぎる一瞬に願うのは至難の業(わざ)だが、そこは人工流れ星である。光るのは3~10秒間で、願い事もしやすい。ただ光る時間と御利益(ごりやく)の関係の観測データはまだない。

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