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社説

深刻さ増す不正統計問題 安倍政権挙げて解明急げ

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 厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題で、同省がきのう専門家らによる特別監察委員会の初会合を開いて本格的な調査を始めた。

     統計法の規定に反する不正の意図は何だったのか。なぜ長年まかり通ってきたのか。組織ぐるみの不正だったのか。解明すべき点は多い。

     問題は深刻になるばかりだ。

     従業員500人以上の事業所全てを調べる決まりになっていながら、東京都内では抽出調査に変えていた今回の不正が始まったのは2004年。03年には不正を容認するような内部のマニュアルが作られていたが、この容認の記述は15年以降削除されたという。

     一方で16年に厚労省が総務省に提出した資料には「全数調査とする」と明記していた。不正の隠蔽(いんぺい)と虚偽報告が続いていたことになる。

     既に指摘したように昨年1月から全数調査に近づけるような統計処理を行っていながら、その変更について何ら公表しなかった責任は重い。

     そもそもなぜ変更したのかも現時点では不明で、しかも昨年12月には根本匠厚労相も問題の報告を受けながら、その翌日、不正を伏せて統計を発表していた。驚くべき事態だ。

     旧民主党政権も含め、歴代の厚労相経験者は「知らなかった」と口をそろえているようだ。だが国民の不信の原点は、裁量労働制に関する不適切データや障害者雇用数の水増しをはじめ、今回のみならず官僚が都合良くデータや公表数字を変えてしまう行為とともに、それを政治家が監督できない点にあるはずだ。

     政府はこの問題で新年度予算案を修正して、閣議決定をし直す異例の事態に追い込まれた。雇用保険などを過少に給付されていた対象者は当初の推計より、今後拡大する可能性がある。システム改修や人件費などもかさむだろう。影響は大きい。

     安倍晋三首相は第1次政権時の07年を思い出しているに違いない。この年初め、同じ厚労省の「消えた年金記録」問題が発覚しながら、対応が遅れた結果、政権全体への世論の批判が強まって夏の参院選で自民党が惨敗する大きな要因となった。

     その教訓を生かすなら、調査や処分を厚労省任せにせず、こんな事態が繰り返される構造的な欠陥にまで踏み込んで解明すべきである。

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