メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「50分野同時開催」「1週間で参加決定」 手軽に“研究の跡” ハゲタカ学会体験者が証言

ハゲタカ学会のイメージ

[PR]

 参加費収入が目的の「ハゲタカ学会」と疑いながら、パリなどで開かれた学会に参加した大学講師の50代男性が毎日新聞の取材に応じた。応募するとすぐ参加が認められ、研究分野の異なる研究者約30人がホテルの一室でそれぞれ研究発表したという。講師は「研究以外の業務が多く、こうした学会でしか発表機会を確保できなかった」と釈明した。

 講師は関東の私立大に勤務し、工学系が専門。トルコに拠点を置くとされる出版社が主催した国際学会に2回参加したという。

 同社ホームページによると、2018年は国際学会を月8~12回のペースで計120回開催した。学会は30年代まで予定され、国内でも東京、大阪、京都のホテルで定期的に開かれている。

 講師はインターネットで開催を知り、18年3月にパリで開かれた学会に出席した。ホームページには「50分野を同時に開催」とあり、分野の多さに不信感を抱きつつ発表概要を送ると、1週間以内に参加が決まったという。

 会場はホテルの会議用の一室。ドイツや中国、韓国、インドなどから研究者約30人が集まった。講師はその場で座長を任され、自分の専門分野とは明らかに異なる発表を聞かされた。「幅広い分野の募集をし、実は同じ部屋で一緒に発表させるトリックだと、行って初めて分かった」と振り返る。

 参加料は450ユーロ(約5万8000円)。国際学会の参加料は10万円を超えることもあり、比較的安いと感じた。渡航費や滞在費など計約22万円を自身の研究費から出した。講師は「営利目的と分かっていた」が、同じ主催者が8月にスペイン・バルセロナで開いた学会にも参加した。

 講師は参加理由に「多忙」を挙げる。大学では、入試の面接官や週10コマの講義、学内会議、講演会など研究以外の業務が増え、週末出勤も当たり前に。権威ある国際学会があった時期は業務を優先せざるを得ず、予定が空く時期に開催されたパリやバルセロナでの学会を利用した。

 講師が所属する大学では、英語で成果を発表すると日本語での発表の2倍の評価点が得られるという。講師は「研究しているという痕跡を残しておきたい。ハゲタカ学会は使い勝手がいい」と話す。

 開催する学会の形式について、同社は毎日新聞の取材に「どの学会でも参加者は我々の方針に同意している」と主張する。

 また、ドイツなど海外のメディアは、同社が粗悪学術誌「ハゲタカジャーナル」(英語でプレダトリー・ジャーナル=捕食学術誌)を出版していると指摘している。同社は「私たちの学術誌の論文は全て公開されているし、提出された全原稿は3段階の内容チェックがなされている」と説明した。【鳥井真平】

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 菅官房長官、桜を見る会で反社勢力とツーショット? 「指摘は承知している」

  2. 丸山穂高氏、饗宴の儀で不適切言動か 「何をもって泥酔していたというのか」本人は否定

  3. クマの親子とバッタリ 69歳男性、顔などかまれ重傷 滋賀

  4. 「妊娠しないで」「謝れ」「戻る場所ない」これがマタハラの実態

  5. 支払い前に領収書? 宛名未記入?…ANAホテルの回答から浮かび上がる 首相説明の不自然さ

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです