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社説

イプシロンロケット成功 民の力生かす宇宙開発に

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 7基の人工衛星を載せた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型ロケット「イプシロン」4号機が内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げられ、全ての衛星を予定軌道に投入することに成功した。

     民間企業や大学に宇宙での実証試験の機会を提供するJAXAの事業の一環で、約55億円の打ち上げ費用は政府が全額負担した。民間の力を宇宙産業の拡大に生かす取り組みとしなければならない。

     打ち上げられた7基は、大学などが開発した機器や部品を搭載し、その性能を宇宙空間で確認するためのJAXAの衛星や、東京のベンチャー企業が開発した人工的に流れ星を作る世界初の衛星など、ユニークな機能を持った小型衛星が並ぶ。

     JAXAは今後も実証試験のテーマを公募し、同様の打ち上げをあと3回実施する計画だ。

     かつての宇宙開発は世界的に国家主導で進められてきたが、米国などではベンチャー企業が躍進し、市場規模も拡大している。

     日本政府は2030年代に、宇宙産業の市場規模を2兆4000億円に倍増させる目標を掲げる。国内でも宇宙関連ベンチャーは生まれつつあるが、成果を上げるには一定の資金と時間が必要だ。JAXAの事業が、こうした企業を後押しすることになるのは確かで、大学などでの人材育成にもつながるだろう。

     ただし、打ち上げに国費を投入するのであれば、テーマの選考過程の透明性を確保するとともに、その成果をきちんと評価し、国民に開示する必要がある。ベンチャー企業を官頼みにさせてはいけない。

     政府はイプシロンを使った小型衛星の打ち上げ受注と衛星の海外輸出拡大を目指している。一度に7基を軌道投入した今回の打ち上げは、その能力を世界にアピールした。

     今後の課題は、コストの削減だ。

     1機当たり約50億円の打ち上げ費用は世界水準に比べ高額で、民間からの打ち上げ受注が進んでいない。

     JAXAは、開発中の次世代ロケット「H3」と部品の共用化を進めることなどでコスト削減を進める方針だ。現状では、民間からの打ち上げ受注は見通せず、イプシロンの存在意義そのものが問われることになりかねない。

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