◆突然死の娘がつないだ縁
8年前の9月29日。秋晴れに恵まれたその日、さいたま市北区にある市立日進小学校では、駅伝大会の練習が行われていた。参加した児童の中に、6年生の桐田明日香さん(当時11歳)がいた。
「うち、練習頑張るね。ママ、大好きー」。朝、母の桐田寿子さん(48)に向かって投げキスをして自宅を出た。それなのに翌日、帰らぬ人となった。
寿子さんは病院の集中治療室(ICU)で変わり果てた姿の娘と対面した。家を出た時の、はじけるような笑顔はどこにもなかった。「明日香、どうしたのよ。一緒に旅行に行くって言ってたじゃない。どんな姿になったって、ママは明日香を待ってるよ。答えて……」。娘の左目から2粒の大きな涙がこぼれた。翌日の夜になり、心拍が途絶え始めると、夫の康需(やすひと)さん(52)と交代で心臓マッサージを施した。だが、心臓がも…
この記事は有料記事です。
残り4450文字(全文4836文字)
毎時01分更新
20日に就任する米国のバイデン新大統領の下、日米・米中関係…
16日に行われた「大学入学共通テスト」で、マスクから鼻が出…
22日に迫った核兵器禁止条約の発効を「夢のようだ」という。…