メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

池澤夏樹・評 『イーヴリン・ウォー伝 人生再訪』=フィリップ・イード著、高儀進・訳

 (白水社・9180円)

社交がそのまま作品の素材に

 イギリス人は伝記が好きだ。ちょっとした人物ならば死後たいてい伝記を書いてもらえる。書き手が手を上げると故人の家族や友人が故人との往復書簡を提供し、インタビューに応じる。数年後には立派な本が刊行される。日本で出る伝記よりずっと詳細で浩瀚(こうかん)。

 作家には特異な性格の者が多いから伝記の格好の対象になる。集めるつもりはなかったのに、我が書架にはジェイムズ・ジョイス、グレアム・グリーン、ジョン・ル・カレ(まだ生きている)、ロレンス・ダレル(未訳)、ブルース・チャトウィン(未訳)などの伝記が並んでいる。

 イーヴリン・ウォーはこの国でどれくらい読まれているだろう。死後五十年を機に本国では全四十三巻の全集…

この記事は有料記事です。

残り1150文字(全文1478文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 細いながらもつながっていた父と子…ある出来事が引き金に 長男刺殺の元農水次官、16日午後判決

  2. 子宮頸がん HPVワクチン 放置はもうゆるされない 厚労省は逃げるな

  3. 弘前藩が「秘薬」アヘンを製造 「気分良くなる」と評判、偽薬も流通

  4. 桜を見る会 官僚「のらりくらり答弁」の背後に何があるのか

  5. 手足伸ばして極楽、極楽♪温泉楽しむニホンザルが人気 北海道

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです