原発はもうからない 輸出総崩れでも諦めない安倍政権 安全コストで採算合わず 世界の流れは自然エネ
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安倍政権が成長戦略の柱と位置付けた「原発輸出」が総崩れだ。東京電力福島第1原発事故の後、国内では原発の新増設が困難になり、海外への輸出に活路を見いだそうとしたが、企業は採算が合わないと判断している。かつての「夢のエネルギー」は「もうからないビジネス」となっている。【奥村隆】
「原子力ルネサンス」。この言葉を覚えているだろうか? 地球温暖化対策の切り札として日本の原発輸出は2000年代から始まった。そして、安倍政権が昨年6月に発表した「インフラシステム輸出戦略(改訂版)」にはこうある。「途上国の経済成長と温室効果ガスの削減に貢献するとともに、我が国が比較優位を有するインフラの海外展開を促進し、地球温暖化対策における国際標準の獲得につなげる」
12年に政権に復帰した安倍晋三首相は、日本の原発は次世代自動車と並ぶ先進技術だとして諸外国へのトップセールスを繰り返してきた。原発輸出の受注額を10年間で約7倍の2兆円に拡大すると掲げた。しかし、全ての輸出計画が頓挫した。主な撤退案件は次の通りだ。
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