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科学や医療を巡るあらゆる出来事を永山悦子・医療プレミア編集長兼論説室が読み解きます。

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飯舘村のうどん=永山悦子

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 昨年末、ほろ酔い気分でNHKの紅白歌合戦を見ていたとき、白組のトリ「嵐」のメンバーが福島県飯舘村のうどん店を訪れている映像に跳び起きた。昨年11月に飯舘村を取材で訪れ、私も同じ店で同じうどんを食べたから。「あのお店だ!」と見入ってしまった。

 福島第1原発事故で、村は人が暮らす場所全域が除染対象となり、大半で避難指示が解除されたのは2017年3月末。事故後、村から福島市へ移転していたうどん店「ゑびす庵」は翌4月、元の場所で営業を再開した。飲食店の帰村第1号となった。当時の記事によると、「酒も飯も味わえない村なんてさみしい。自分たちが村に腰を据え、戻ってくる人の礎になれれば」と帰村を決めたという。

 「せっかく飯舘に来たから」とのれんをくぐり、おすすめの五目うどんを注文。太めの手打ちのうどんにたっぷりの肉野菜炒めが乗っている。フーフーしながら口へ運ぶ。具とうどんと熱い汁のうまみで幸せ気分。おなかがかなりきつくなった。にぎわう店内には作業着姿の男性も多く、「復興事業に携わる人々のエネルギー源になっているのだろう」と感じた。

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