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「平成」経緯の記録、公開は2044年 内閣府、手続きなく延期 

「平成改元」に関する公文書の保存状況

 1989年1月に元号を「平成」に改めた経緯の記録を、政府から国立公文書館へ移管する時期が、公文書管理法で定める「1~30年」を大幅に上回り、約55年後の2044年3月末となっていることが毎日新聞の情報公開請求で明らかになった。同法は「作成、取得」から1~30年後の移管か、理由と期間を首相に報告して延長手続きを取ることを求める。だが文書を保存する内閣府総務課は「元号事務が13年に当課に移った際、移管資料を新たに取得した」とし、14年4月1日が起算日だと説明した。【野口武則】

 公文書館に移管された文書は原則公開される。移管前は開示請求などを受け、政府機関が個別に判断する。

 毎日新聞は、「平成」の選定過程に関する文書を開示請求。内閣府は官房長名の文書で「不開示」と回答した。理由として「将来の元号考案者に不必要な予断を与え、元号選定事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」や、「個人を識別でき、考案者がどのような案を考案したかなどが詮索され」ることなどをあげた。文書には「平成」の考案者が記されているとみられるが、この見解が変わらない限り、公開は公文書館への移管後の44年以降となる。

 こうした運用に関し、内閣府公文書管理委員会の委員長代理を務めたこともある三宅弘弁護士は「明らかに脱法的だ」と指摘。「『作成』は行政官が自分の権限で作ったもの。『取得』は第三者から新たに得たものを指す。政府内でたらい回しすれば公文書館への移管が遅れ、法の趣旨に反する」と述べた。

 総務課の担当者は毎日新聞の取材に「元号事務が内閣官房副長官補室(89年当時は内閣官房内政審議室)から内閣府総務課に移り、文書を新たに取得した」と説明した。一方、内閣府公文書管理課は取材に文書で回答。総務課の手続きは「承知していない」としつつ、「行政機関内の所管課変更をもって保存期間を設定し直すことは、原則、想定されない」とした。

 公文書管理法は09年6月に成立し11年4月施行。「歴史的資料」として重要な公文書を公文書館に移管する。役所側が公開制限を求める意見も付けられるが、その是非は公文書館長が判断する。89年1月作成の文書は、本来は19年に移管対象となる。

 「大正」「昭和」への改元の経緯は、公文書館が詳細な記録を保管し、91年度から01年度までに順次公開されている。

 NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長の話 「公文書の管理に関するガイドライン」では、組織改編に伴う文書の移管は「取得」ではなく、「引き継ぎ」に該当するとしている。当初の所管課の保存期間で引き継がなければおかしい。こういう処置を容認すれば、保存期間が必要以上に延びてしまう。

 

公文書管理法のポイント

・文書を作成、取得した時は「保存期間」を設定。重要な文書は「1~30年間」

・保存期間満了時、歴史資料として重要な文書は国立公文書館に移管。廃棄の場合は首相の同意を得る

・職務で必要なら保存期間を延長。首相に期間と理由を報告

・公文書館に移管後の文書は、個人情報や国の安全に関する情報などを除き原則として公開

(施行令、ガイドラインの内容も含む)

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