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ゲノム編集で双子 秘密裏の実施に改めて衝撃 中国

 中国で昨年、ゲノム編集技術を使って遺伝子改変を試みた受精卵から双子の女児が生まれていたと中国当局が認定した。意図した改変がなされたかは不明だが、同様の試みは安全性や生命倫理の観点から、中国を含む各国が妊娠に用いることを禁止している。人類史上初とみられる試みが、中国国内や国際社会の倫理的ルールを無視し、秘密裏に実施されたことは世界に改めて衝撃を与えそうだ。

 今回のゲノム編集の目的は誕生後のエイズウイルス(HIV)の感染予防とされるが、現在の不妊治療技術で誕生時の感染を防ぐことは可能だ。

 今回の遺伝子改変に医学的妥当性はなく、親の望む特性を与える「デザイナーベビー」を作る試みと言える。双子の健康に長期的な影響を及ぼす恐れもあり、長期にわたる医学的・精神的サポートが必要だ。

 また今後の再発防止のためにも▽研究チームが研究内容をどのように親に説明し、同意を得たのか▽なぜ偽造書類で実施できたのか――など、詳細な経緯を調査で明らかにすることも求められる。

 日本は体外受精の実施件数や不妊治療施設の数が世界で最も多い「不妊治療大国」だ。石井哲也・北海道大教授(生命倫理)は「今回の事件を、異常な研究者による特異な行為として片付けてはならない。特に日本には受精卵の遺伝子改変を規制する法律がない。同様のことが起きないような仕組み作りが早急に求められる」と指摘する。【須田桃子、千葉紀和】

生殖細胞のゲノム編集に詳しい国立成育医療研究センターの阿久津英憲・生殖医療研究部長の話

 賀建奎氏の報告は信じられなかったが、事実認定されたことに衝撃を受けている。双子の将来を医学的・社会的に守らなければならない。彼は医師ではなく、妊娠・出産には医療チームの協力が必要だ。再発防止のためにも誰がどこまで問題を認識して関与したのか検証が欠かせない。生まれた双子の健康のためにゲノムデータの解析も重要だ。

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